短鎖脂肪酸(SCFA)のはたらき〜個人的な推しポイントまとめ〜

近年注目されている腸内細菌の代謝物である短鎖脂肪酸(SCFA)、腸活民の皆さんにおかれましては、一度は耳にしたことがある言葉なのではないかと思います。
短鎖脂肪酸の働きは多岐にわたっていますが、今回、SOILcureオンラインショップ店長・二階堂の個人的な短鎖脂肪酸のはたらきの好きなところ、推しポイントをご紹介してみたいと思います。

まずはさらりとおさらい。短鎖脂肪酸とは?

短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖などを分解・発酵させること
で生成される有機酸の一種です。酢酸、プロピオン酸、酪酸などが代表的で、腸内環境の改善や健康維持に役立つ様々な効果が期待されています。

個人的推しポイントNo.1!!持久力アップに役立つ

短鎖脂肪酸には健康に寄与する素晴らしい働きが色々あるんですが、私の個人的な短鎖脂肪酸の推しポイント、ぶっちぎりの第1位はこれです。
運動や筋肉を愛する民にはぜひ知っておいて欲しいポイントであります。
短鎖脂肪酸の一種である プロピオン酸は、肝臓でのブドウ糖生成を促進し、持久力に関わる運動パフォーマンスの向上に役立つことが研究で示唆されています。
また、短鎖脂肪酸は筋肉(骨格筋)の代謝にも影響を及ぼしており、タンパク質合成を促進したり、筋肉の萎縮を抑えることで、筋力維持に貢献する可能性も認められています。1

( 1参考:Short-chain fatty acids as potential regulators of skeletal muscle metabolism and function)

さらにさらに!! 短鎖脂肪酸は運動へのやる気を高める可能性もあることのこと。 マウスを使った研究では、短鎖脂肪酸が運動に関連する脳の報酬系を刺激し、運動への意欲を高めることが示されています。2
以上のことから、短鎖脂肪酸がアクティブで健康的な人生をサポートしてくれることは間違いないと思います!

おまけ情報といたしまして、筋肉と腸は互いに影響しあう「筋腸相関」という関係にあります。健康な腸内環境は筋肉の維持・増強に繋がり、適度な運動は腸内環境を改善します。
医師であり、腸内環境評論家としてもご活躍されている桐村里紗先生と、横浜DeNAベイスターズなどで打者として活躍した元プロ野球選手の吉村裕基さんをお招きして、筋腸相関に関連する話題で対談していただいた動画をSOILcure公式YouTubeにて配信しておりますので、こちらもぜひチェックしていただければ幸いです!

個人的推しポイントNo.2!!仕事や勉強の効率アップにも寄与する!?

さて、我々ニンゲンは人生の大半を仕事や学習に費やしていると言っても過言ではないと思いますが、短鎖脂肪酸は、脳機能や認知機能に良い影響を与え、結果的に仕事や勉強の効率アップに繋がる可能性があるとされています。
短鎖脂肪酸の一種である酪酸は脳のエネルギー源となり、前頭前野や海馬といった脳の司令塔の働きをサポートし、ワーキングメモリを向上させることが研究により示唆されています。
(※ワーキングメモリ:情報を一時的に記憶しながら、それを処理・操作する脳の機能。)

また、兵庫医科大学などの研究チームが発表した調査では、慢性的な便秘の人は便秘でない人と比較して、欠勤率の増加や作業の生産性低下により、年間経済的損失がなんと約122万円にも相当することが示されています。
短鎖脂肪酸は腸の働き(ぜん動運動)を活性化し、便秘や下痢といったお悩みの改善に役立つ働きも示されているので、便通不調の不快感による生産性損失を削減する一助にもなるかと思います。

短鎖脂肪酸が仕事や勉強の効率を上げるという直接的なデータが示されているわけではありませんが、「しごでき」要因と考えて差し支えないのではないかと考えられます。

個人的推しポイントNo.3!!免疫システムの調整

個人的な短鎖脂肪酸のはたらき推しポイント第3位はこちら。
広く知られている、かつ、重要な働きとも言えるのではないかと思います。

短鎖脂肪酸は有機酸であるため、腸内環境を弱酸性に保ちます。
それにより、病原菌の増殖を抑え、腸管からの侵入を防ぐ役割があります。一方で、過剰な免疫反応を抑制し、アレルギーや自己免疫疾患のリスクを軽減する働きもあります。
短鎖脂肪酸はエピジェネティック制御を通じて、免疫細胞の分化や機能、増殖を制御し、免疫システムのバランスを維持していることがわかっています。
エピジェネティック制御とは、DNAの塩基配列(遺伝情報そのもの)を変えずに、DNAや関連するタンパク質に化学的な修飾(メチル化やアセチル化など)を加えることで、遺伝子の働き(発現)をオン・オフしたり調節したりする生命現象のこと。
大腸がん細胞を対象とした研究では、短鎖脂肪酸(SCFA)、特に酪酸とプロピオン酸が、細胞の増殖を促す遺伝子を抑制し、代わりに分化や接着を促進する遺伝子を活性化させる作用を持つことが示されたということです。この作用は、がん細胞の異常な増殖を抑える「ブレーキ」として機能すると考えられています。

短鎖脂肪酸のはたらきまとめ

今回の私の個人的な推しポイントとしてご紹介した他にも、短鎖脂肪酸には、
◾️
大腸・肝臓・筋肉のエネルギー源として機能する
◾️水、カルシウム、マグネシウム、鉄といったミネラルの吸収を促進する
◾️コレステロール合成を抑制する
◾️体脂肪の蓄積を抑える
◾️血糖値を調節する
など、全身の健康維持に多様な働きをしていることがわかっています。
短鎖脂肪酸を増やすには、プロバイオティクスや、多様な食材からプレバイオ素材(食物繊維やオリゴ糖など)を摂取し、腸内細菌の多様性を高めることが大切です。
腸内細菌叢が多様であると、酪酸、酢酸、プロピオン酸などの様々な短鎖脂肪酸がバランス良く産生され
ることが期待できます。
短鎖脂肪酸を意識した生活習慣を送ることで、全身の健康を維持し、より健康的な生活を送ることができると思います。
SOILcure愛用者の皆様にはプロバイオティクスとプレバイオティクスがセットで摂れるスムージー習慣を取り入れていただくこともおすすめです♪
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